202502.27
人材ビジネスの知識
非常時払(第25条)
使用者は、労働者が以下に定める出産、疾病、災害等の非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。
① 労働者又はその収入によって生計を維持する者が出産し、疾病にかかり、又は災害をうけた場合 ② 労働者又はその収入によって生計を維持する者が結婚し、又は死亡した場合 ③ 労働者又はその収入によって生計を維持する者がやむを得ない事由により1週間以上にわたって帰郷する場合 |
労働基準法第25条は、同法第24条の一定期日払に対する例外規定です。なお、支払わなければならない賃金は、既往の労働に対する部分であり、未だ労務の提供のない部分についてまで支払う必要はありません。
Q 「災害」には、自然災害も含まれますか?
A 「災害」には、洪水、火災等の自然災害の場合も含まれると解されています。 |
Q 「疾病」には、業務外の疾病も含まれますか?
A 「疾病」には、業務上の疾病、負傷であると業務外の疾病、負傷(私傷病) であるとを問いません。 |
Q 「労働者の収入によって生計を維持する者」とは、労働者が扶養の義務を負っている親族のみに限られますか?
A 「労働者の収入によって生計を維持する者」とは、労働者が扶養の義務を負っている親族のみに限らず、労働者の収入で生計を営む者であれば、親族でなく同居人であっても差し支えありませんが、親族であっても独立の生計を営む者は含まれません。 |
≪参考≫
- 労働基準法第25条に違反した場合は、30万円以下の罰金に処されます(労働基準法第120条)。
- 労働基準法第25条の違反により労働者に損害が生じ賠償請求が行われた場合は、これに応じなければならない(民法709条)。