202308.29
人材ビジネスの知識派遣法

性・障がいの有無・年齢による差別的な取扱いの禁止等

(1) 派遣労働者の性別の労働者派遣契約への記載の禁止等

職業安定法第3条(※)の規定は労働者派遣事業にも適用されます。

このため、派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに当たっては、職業安定法第3条の規定を遵守し、派遣労働者の性別を労働者派遣契約に記載し、これに基づき当該派遣労働者を当該派遣先に派遣してはならず、また、性別による不合理な差別的労働者派遣を行ってはならないので、その旨の周知、指導に努めなければなりません。

(※)職業安定法第3条(均等待遇)

何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない。但し、労働組合法の規定によって、雇用主と労働組合との間に締結された労働協約に別段の定のある場合は、この限りでない。

 

(2) 障がい者であることを理由とする不当な差別的取扱いの禁止等

派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに当たっては、派遣元事業主が当該派遣先の指揮命令の下に就業させようとする労働者について、障がい者であることを理由として、障がい者を排除し、又はその条件を障害者に対してのみ不利なものとしてはならず、かつ、これに基づき障がい者でない派遣労働者を当該派遣先に派遣してはならないので、その旨の周知、指導に努めなければなりません。

なお、職業安定法第3条による差別的取扱いの禁止の対象には、障がい者であることも含まれるものであり、障がい者であることを理由として差別的労働者派遣を行ってはならないものであることに留意する必要があります。

 

(3) 年齢による不合理な差別的派遣に対する指導等

派遣元事業主は労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(以下「労働施策総合推進法」という。)第9条(※)及び職業安定法第3条の趣旨に鑑み、年齢による不合理な差別的労働者派遣を行うことは不適当である旨、周知、指導に努めること。

(※)労働施策総合推進法第9条

(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)

事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。

 

(4) 派遣労働者の募集及び採用に係る年齢制限の禁止に向けた取組

法に規定する労働者派遣に関し、派遣元事業主が行う派遣労働者の募集及び採用についても、原則として労働施策総合推進法第9条及び労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則(以下「労働施策総合推進法施行規則」

という。)第1条の3の規定が適用されます。

(※)労働施策総合推進法施行規則1条の3

(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)

 

労働施策総合推進法第九条の厚生労働省令で定めるときは、次の各号に掲げるとき以外のときとする。

一 事業主が、その雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをしている場合において当該定年の年齢を下回ることを条件として労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限る。)。

二 事業主が、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)その他の法令の規定により特定の年齢の範囲に属する労働者の就業等が禁止又は制限されている業務について当該年齢の範囲に属する労働者以外の労働者の募集及び採用を行うとき。

三 事業主の募集及び採用における年齢による制限を必要最小限のものとする観点から見て合理的な制限である場合として次のいずれかに該当するとき。

イ 長期間の継続勤務による職務に必要な能力の開発及び向上を図ることを目的として、青少年その他特定の年齢を下回る労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限り、かつ、当該労働者が職業に従事した経験があることを求人の条件としない場合であって学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(幼稚園(特別支援学校の幼稚部を含む。)及び小学校(義務教育学校の前期課程及び特別支援学校の小学部を含む。)を除く。)(第二条第二項第四号の二及び第九条の二第四項第二号において「学校」という。)、同法第百二十四条に規定する専修学校(以下「専修学校」という。)、職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第十五条の七第一項各号に掲げる施設又は同法第二十七条第一項に規定する職業能力開発総合大学校(第二条第二項第四号の二及び第九条の二第四項において「職業能力開発総合大学校」という。)を新たに卒業しようとする者として又は当該者と同等の処遇で募集及び採用を行うときに限る。)。

ロ 当該事業主が雇用する特定の年齢の範囲に属する特定の職種の労働者(以下この項において「特定労働者」という。)の数が相当程度少ないものとして厚生労働大臣が定める条件に適合する場合において、当該職種の業務の遂行に必要な技能及びこれに関する知識の継承を図ることを目的として、特定労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限る。)。

ハ 芸術又は芸能の分野における表現の真実性等を確保するために特定の年齢の範囲に属する労働者の募集及び採用を行うとき。

ニ 高年齢者の雇用の促進を目的として、特定の年齢以上の高年齢者(六十歳以上の者に限る。)である労働者の募集及び採用を行うとき、又は特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用を促進するため、当該特定の年齢の範囲に属する労働者の募集及び採用を行うとき(当該特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用の促進に係る国の施策を活用しようとする場合に限る。)。

2 事業主は、法第九条に基づいて行う労働者の募集及び採用に当たっては、事業主が当該募集及び採用に係る職務に適合する労働者を雇い入れ、かつ、労働者がその年齢にかかわりなく、その有する能力を有効に発揮することができる職業を選択することを容易にするため、当該募集及び採用に係る職務の内容、当該職務を遂行するために必要とされる労働者の適性、能力、経験、技能の程度その他の労働者が応募するに当たり求められる事項をできる限り明示するものとする。

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